4年前の施工不良を徹底補修!雨漏り対策と耐久性向上(前編)

マンションの塔屋における防水改修工事について、サラセーヌ堅鎧システムを採用した事例をご紹介します。

既存防水層の劣化による漏水問題を解決し、建物の耐久性を高めるための重要な工事です。

工程ごとのポイントを詳しく解説します。

このマンションは2年前にも防水工事をご依頼いただいたオーナー様の物件で、前回は屋上の半分を施工しました。

今回は残りの半分に加え、4年前に他社が施工した部分の再工事を行います。その現場で見つかった問題点と、それをどう解消したかを詳しくお伝えします。

目次

防水面の現状確認と打診調査

経年劣化が進んだ既存のウレタン通気工法による防水層では、複数箇所で漏水が発生していました。

特に、ドレン周りや立ち上がり部分でのアスファルト防水層の端末剥離が目立ち、これが主な問題点となっていました。

防水層のひび割れや膨れ、剥がれは建物の構造に深刻な影響を及ぼすため、早急な対応が必要でした。

今回の工事では、既存防水層を完全に撤去し、下地から丁寧に補修することで、長期的な防水性能の確保を目指しました。

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立上り撤去

新築時、立上り部分は露出アスファルト防水、床部分は保護モルタルで施工されていたと推測されますが、アスファルト防水が一部撤去されていませんでした。

これが漏水の原因の一つとなっていたため、既存防水層を完全に撤去しました。下地を露出させることで、新しい防水層との密着性を高める重要な工程です。

下地調整

ドレン下皿部分に残存していた塗膜を丁寧に除去し、密着不良の原因を排除。さらに、改修ドレン設置時に水が溜まらないように下地を平滑に調整しました。

この工程は、防水層が均一に施工できるための準備として非常に重要です。

レジアンダー塗布

タイルとの接合部に防水材を巻き込むため、今回は水性エポキシ樹脂を含むレジアンダーを採用しました。

タイルと防水層の密着性を高め、剥がれを防ぐ役割を果たします。タイル表面を清掃してから塗布することで、防水層の耐久性をさらに向上させます。

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アスファルト防水撤去後のレジアンダー塗布

アスファルト防水層を撤去した後、縁切りとしてレジアンダーを塗布しました。

これにより、新しい防水層が下地と絶縁され、防水層の性能を最大限に引き出します。

改修ドレン設置

既存ドレンの大きさに合わせて端末を処理し、新しい改修ドレンを丁寧に設置。

排水機能の確保は、防水性能の維持において重要であるため、設置には十分な注意を払いました。

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まとめ

今回の前編では、防水改修工事の初期段階についてご紹介しました。

既存防水層の撤去や下地調整、改修ドレンの設置といった基本工程が、後の防水性能を大きく左右します。

特に、レジアンダーによる縁切りや改修ドレンの適切な設置は非常に重要なポイントです。

後編では、防水層の形成工程をご紹介します。プライマー塗布、サラセーヌK・Aの塗布、トップコート仕上げといった堅鎧システムの全貌を解説しますので、お楽しみに!

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