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鉄部に発生した錆びを防ぐ下地処理

By 2013年12月2日1月 15th, 2023防水担当の日誌

マンション建築の多くには鉄が使われており、この鉄も外壁と同じく紫外線を浴びたり、風雨に晒され続けることで傷みが進むため、一定の期間でメンテナンスが必要になります。鉄が水分や空気中の酸素に反応して茶褐色の酸化鉄になり、傷みが進行するとやがて腐敗して鉄に穴をあけてしまいます。こうして傷んだ部分が、錆びや赤錆びと言われます。

塗装前に劣化した古い塗膜と発生した錆びを取り除いていきます。剥がれかけた塗膜の上から覆い隠すように作業をしてもすぐに剥がれてきてしまい、厚く塗膜を塗り重ねたとしても意味の無いものになってしまいます。そこで皮スキやサンドペーパー、時にはディスクサンダ―と言われる電動工具を駆使して出来るだけ塗膜を剥がしていきます。
職人の手で行われるケレンと言われる作業。仕上がった後では目に見えない工程ですが、先ほども記載した通り、塗膜を長く保たせるためにとても重要な工程です。この時に剥がした塗膜や細かな鉄粉が周囲へと飛散しやすいので、しっかりと養生を行って塵を周囲に散らさないように気を付け、職人は目と口にケレンゴミが入らないようゴーグルやマスクを付けて顔全体を覆い隠しておく必要があります。
ケレン作業と同時に細かな傷を多く付けて鉄と塗料との咬み合いを良くし、より剥がれにくい塗膜にする下準備を念入りに行います。この時にウェスと言われる不要な柔らかい布でケレンした後で細かなチリやケレンゴミを拭き取ることで、密着力の低下を防ぐことができます。

後に傷みが進みすぎた部分は専門の職人を入れて、徹底的に補修。錆び止めを塗布した後で、鉄部に適した塗料を使って、厚く3回塗りを施しました。ただ厚く塗るだけでは傷みはそのままになり、折角、塗装した部分も古い塗膜から剥がれ落ちてきてしまって意味を成しませんが、完成時には見えずとも下地処理を丁寧に行うことで仕上がりの質を格段に上げることに繋がります。

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劣化症状