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トップライトの枠が完成すれば窓に合わせて設置することになりますが、この枠の下にも防水処理をしておく必要があります。今日はその処理からの作業となります。
まずは前日に塗らなかった箇所へプライマーを塗っていきます。このプライマーはウレタンだけでなく、この後に貼る通気緩衝のシート、シール材の接着剤なので施工する箇所には一通り塗ることになります。この屋上だと周りのアルミ笠木、中央にあるトップライト以外のすべての箇所に塗ることになります。
枠をはめ込む前に、トップライト周りの金物にシールを充填します。一見問題無いように見えますが、トップライトの周りには僅かな隙間があり、雨が降ると雨漏りするためシールで防水をしておく必要があります。
充填しているのはオートンのクイックシールという材料です。これは通常のシールと比べ、速乾性に優れたもの。シールの硬化の時間を短縮したい場合、この材料を使うことが多いです。
シール材は充填するだけでは効果はありません。金ベラなどを使い、シール材を均してやることで初めて防水効果を得ることができます。今回は金ベラにバックアップ材を貼り付けた道具を使い均しました。一般的に馴染みのない道具ですが、シール工事では定番の道具となっています。
実際にシール材を均しているところです。かなり手早く均していますが、このような早さで均すにはそれなりの経験が無いとできません。
次はQVシートを貼っていきます。これは通気緩衝工法では必須と言えるシートで、このシートの下を建物から出る湿気の通り道にするためのものです。
幅、凡そ1mのシートを土間全体に貼り付けます。この時、シートが斜めにズレてしまったりするためきちんと真っ直ぐに貼れるように注意する必要があります。
QVシートは最初の1枚目を貼ったら2枚目以降はシートに合わせて貼っていくため、最初の1枚目がズレてしまうと全体もズレた仕上がりとなるため特に最初の1枚目の貼り出しには注意が必要です。
2枚目のQVシートを貼り付けているところです。最初のシートがしっかりと真っ直ぐ貼ることができたので、2枚目もそれに合わせて貼り付けています。
QVシートを貼る時、いきなり貼り付けるのではなく一回シートを広げて曲がったりしていないか確認してから貼り付けるのが一般的な貼り方。写真は貼り付ける前の確認の段階のものです。しっかりと直線が出ていることから1枚目のシートが真っ直ぐに貼られたことが分かるのではないでしょうか?2枚目以降のシートもこれに合わせて貼り付けていきます。
通気緩衝のシートの貼り方は、メーカーによって若干の違いがあります。
今回使用したQVシートはサラセーヌ社のシート。このメーカーのシートの場合、シートの継ぎ目箇所を5㎝程重ねて貼る仕様となっています。
写真に写っているのは、5㎝重ねて貼ったシートの継ぎ目。メーカーによってはこの継ぎ目の箇所に、1~2mmの隙間を開けるものもありますが、土間が見えないことからシートがしっかりと重なっていることが分かります。
床一面にシートを貼ったら、転圧ローラーという道具を使いQVシートをしっかりと土間に接着させます。写真に写っている黒い道具が転圧ローラーです。
このローラーは5kg程度の重さがあるため、極端に力を入れなくても転がすだけでシートを密着させられる道具です。
転圧が終わったらシートの継ぎ目箇所にジョイントテープを貼り付けます。これはウレタンがQVシートの下に入らないようにするためのもの。継ぎ目のジョイントテープだけでなくシート端末部分にも、MBテープ100という端末用のシールを貼り付けます。
必要な箇所にテープを貼り終わったら脱気筒の設置です。
通気緩衝工法は、シートの下を湿気が通り、最終的に脱気筒から抜けていく…という仕組みになっています。そのため、ワザとシートの一部をカットし、湿気の抜け道を作っています。この穴の上に脱気筒を設置します。
脱気筒に開けられている穴に合わせ、ドリルで穴あけをしてインパクトドライバーでネジ止めをします。
トップライトの枠の設置もあり、丁度キリのいいところということで本日の作業はここで終了となりました。明日からウレタンを使った作業です。
【すべての工程の説明をした完工後までのページはこちらにあります。一気に見たい方はどうぞご覧ください。】