2層目のウレタンを流し、再び1日あけての作業となります。今日はウレタン防水最後の工程であるトップコートを塗る作業です。本日の世田谷も晴天です。
トップコートを塗る前の屋上の様子です。1層目のウレタン同様、1日置いたことで2層目のウレタンもしっかりと硬化していました。

1層目のウレタンを流した時と同じように、まずは速乾性に優れたオートンのクイックを使いウレタンの補修から行っていきます。
写真に写っているのは、トップライトの止め金具の上からシール材を充填した時のものです。少し分かりづらいですが、止め金物のネジの頭がうっすらと見えている状況です。
このような出っ張りがある箇所はウレタンの傷が付きやすく、ウレタンそのものが破れたり千切れたりすることがあるので、シール材でさらに厚みを付けて補強する必要があります。

一通り見て回り、補修を済ませたらトップコートを塗り込んでいきます。
写真に写っているのは実際に使用したトップコートです。サラセーヌのTと呼ばれる材料です。サラセーヌのトップコートには、他にサラセーヌTフッ素と呼ばれる材料もありますが、今回はこちらの材料を使用します。
これも立ち上がり材や、サラセーヌKと同様、2液性の材料のため合わせて攪拌する必要があります。

本来であれば、計りを使い決められた比率で必要な量のトップコートを作りますが、今回は材料すべて使い切っても足りないと分かっているため、缶を切って1缶丸ごと合わせています。

合わせた材料を攪拌します。トップコートはとても揮発の早い材料です。ウレタンのようにガチガチに硬化してしまうということはありませんが、あまり時間を置くと表面に膜を張ってしまうこともあります。
今は冬の時期なのでそこまで極端に早く膜ができることはありませ

トップコートもこれまでと同様、まずは大きなローラーが入らないような細かいところから塗っていきます。この作業のことをダメ込みといいます。
まずはトップライトの枠から、刷毛とローラーを使い作業していきます。これが終わったら周囲の立ち上がりのダメ込みです。

パラペット付近アルミ笠木と土間の間隔が狭いため刷毛のみで仕上げています。ここの立ち上がりのトップコートはダメ込みがそのまま仕上げとなります。

立ち上がりにサラセーヌTを入れたら、土間にもローラー一本分ダメ込みを入れておきます。ローラーを勢いよく転がすとトップコートが飛散してしまうため、静かに転がします。

周囲の立ち上がりと土間のダメ込みが終わったら本格的に土間へサラセーヌTを塗っていきます。
トップコートを塗る際、あると便利な道具がこちらの2点です。棒のものは「長柄」という道具で、もう一つは台車です。
長柄は先端にローラーを取り付けられるように作られているため、これがあると腰を曲げてローラーを転がす必要がなくなります。台車は材料の入った缶を乗せておけば、缶を手に持って作業しなくて良くなるためあると便利です。

長柄と台車を実際に使いながら作業している様子です。屈むことなく作業できるため、ウレタンを流すのに比べると労力が格段に減ります。
また、ローラーはプライマーを塗った時のものよりも大きなものを使っています。ローラーの玉が大きければ、それだけ塗れる面積も大きくなるのでこちらも労力を半減させることができます。
動画で見て分かる通り、土間にサラセーヌTを塗っているところですが一定の間隔で同じ方向にローラーを転がして塗っていきます。このようにすることでキレイに仕上げることができます。
最後はこれまでと同様、踏んでしまわないよう笠木に乗って仕上げます。
トップを全面に塗ればウレタン防水工事は完了です。

こちらはトップコートを塗布して後日、雨が降った後の世田谷ビジネススクエアを背にした屋上です。

逆側からみた屋上です。

防水工事前はこのような状態でした。

砂埃も加わってモルタル面がザラザラと荒れている状態でした。

下地からの湿気を逃がす脱気筒です。

平場と立ち上がりの笠木の隙間もきっちりウレタンで防水されています。

雨漏り原因の一つだったトップライト廻りも修復して仕上がりも良いと思います。

他に外壁タイルや塗装などもありますが、それはまた別にご報告いたします。
【全工程の説明をした完工後までの施工事例はこちら】