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強烈な紫外線で劣化するウレタン防水の1年経過後

By 2023年7月10日防水担当の日誌

低層マンションなどの屋上防水で一番多く施工されているウレタン防水。

塗装職人のショールーム前には展示物として飾ってあるのですが、設置してから8月で1年経過しようとしています。

 

店舗正面は日中わずかに日が当たるぐらいでそこまで紫外線の影響は受けていると思えませんが、それでも経年劣化の影響は避けられません。

屋上で行われる防水の種類は塩ビシート防水やアスファルト防水など様々施工種類がありますが、FRP防水を除きどれも建物の動きや紫外線などにも耐えられるよう基本伸縮できるように設計されています。

特にウレタン防水は、ゴムそのものといっても過言ではないのでより柔軟さが重要になってきます。

 

やはり自然環境から一番劣化の影響を受けるのは紫外線です。

その紫外線の影響を防ぐためにウレタンの上に塗布するのがトップコートです。

ではトップコートをしないウレタン防水はどうなるのか?

まだ約1年経過の状態ですがどのような劣化状態になっているのか見てみましょう!

 

ウレタン防水・展示直後(2022年7月)

ウレタン防水といっても、大きく施工法を分けると2種類あります。

バルコニーなどと違い屋上などの広い面積で行うウレタンは「通気緩衝工法」といって、行程的には一番下に通気緩衝シートという下地シートを貼ってから液状のウレタンゴムを流します。

大まかな順番的には①下地シート②ウレタンゴム1層目③ウレタンゴム2層目④トップコート、という工程です。

詳細に言えばさらに細かい工程があります。

 

こちらはその工程通りに施工したウレタン防水の見本です。

 

陽のあたりもご覧のような感じです。

防水職人が見本を作り設置は内藤が行っています。

 

こちらはショールーム内にある防水職人による防水見本の施工の様子です。

 

設置直後はこのような感じです。通気緩衝シートの下地シートもまだくっきり緑色をしています。

 

ウレタン防水・展示約1年後(2023年6月)

1層目からは上はそれほど変化ないように見えますが、下地シートは明らかに劣化しているのがわかります。

撮影前に濡れ布巾でホコリを掃除しましたがトップコートはピカピカです。

 

触っても見ましたが下地シートは手荒く扱ってしまうと破れてしまうのではというほどの劣化状態です。

 

よく見ると一層目と2層目のウレタンゴムも設置直後と比較すると色が変わっています。

 

ウレタンゴムは若干伸縮性が損なわれて縮んでいるようにも見えます。

 

恐らくまた1年後、2年と経過するともっと状態は変わってきます。

たかがトップコート、されどトップーコートです。

いかにウレタン防水にとってトップコートの重大さがわかる結果となりました。

 

塗装職人では現状の建物の下地や防水層によって変わってきますが、よほど下地の状態が劣悪でなければ保証を10年つけています。

ただそれも施工後5年後にトップコートをしたうえでの年数です。

トップコートは防水という枠組みの中の種類ですが、他の専用道具も不要で塗装のようにローラーだけで施工ができます。

ウレタンが伸縮性を失って硬化するとひび割れて雨漏りの可能性も高くなってしまうのでメンテナンスと定期点検に注意を払っておきましょう。