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世田谷の防水工事・仕上げと2023年の総括

今年最初のブログは、昨年から工事しております世田谷のお客様宅のお話と、昨年の総括をお話しできればと思います。

昨年は、お客様や職人に恵まれた1年だったと思います。

なぜなら、このブログもそうですが、僕が担当している工事のいくつかは複雑なものも多いからです。

できるだけわかりやすいように説明をさせて頂いておりますが、そうした僕の話を一生懸命聞いて下さるお客様がいらっしゃることで工事をすることができます。

また、いろいろと僕が考えることが出来ても、現場の職人がそれを実現化してくれなければ成り立ちません。

皆さんの協力があって、さまざまな工事を完成させることが出来ました。

本当に感謝しても感謝しきれません。

今回は、そんな協力があって仕上げることのできた屋上防水工事についてと、昨年一年の振り返りをお話し致します。

関連動画 今回の工事の様子

 

防水工事の仕上げ

 

まずはこちらをご覧下さい。

世田谷にあるマンション屋上の防水工事完成時の写真です。

まるで絹ごし豆腐の表面のように、なめらかで美しい仕上がりとなりました。

この鏡面のようにしあげるために、防水材は缶の中身を一文字に床に撒き、それをまたぐようにして職人が立ちます。その撒いた防水材を、上から下へ向かって移動しながら小手をワイパーのように流し、均等に塗り広げを。左に寄ったり、右に寄ったりしないように均一の幅で塗ることが大事なため、職人の技術が必要です。

その後、トップコートは長柄のローラーで仕上げていきますが、材料をローラーにつけ左右に引っぱります。

ローラーなので、塗料を吸い込みやすく塗るのが大変ですが、これも熟練の技でしっかりと塗り上げを。

この床面ですが、このように美しくあげるためには職人の気質と気遣いが必要です。

というのも、風でほこり・ゴミ・落ち葉などが舞う屋外の環境の中で、このようななめらかな表面を作り上げるのは至難の業と言えます。

 

職人の気遣いとは

 

ではいったいこの職人の気質と気遣いとは、どのようなことなのか…説明しましょう。

まずは気遣いです。

これは、職人によってではありますが、風が吹く日などはあえて防水材を撒かない人もいます。そしてできるかぎりゴミを巻き込まないようにしっかりと掃除をしてから防水材を撒くのです。撒く際も、可使時間を考え、防水材がダマにならないように、手際よく手のストロークを使いながら塗っていきます。この時、少しでももたつくと、防水材が固まってしまうと液状のところと隔たりができてしまい、均一に混ざらなくなってしまうのです。

卵焼きを作る際に、火を入れると卵が固まるところと液状のところができますよね?そのようなイメージです。固まった卵は液状の卵とは混ざりません。

防水材でも同じ事が起こるのです。

もちろん、ただ気を遣ってタイミングを待っていたのでは時間だけがかかってしまうので、工事の全体も把握します。

こうしたこと全てに気を遣うことが職人には求められるのです。

関連動画 雨漏り完全防止

今回の防水工事は、膜厚は4.5ミリと床面としては厚い仕様となっています。

防水材を薄めすぎることなく、しっかりと必要缶数も使用して、端から端までびっちりと仕上げました。

防水材は、目と手の感覚で塗ります。膜厚計などを使ってはかる場合もありますが、あまり個人宅では使いません。

そのため、職人の技に差が出ます。

関連記事 前回のブログ記事

防水工事 建物の現状、部材の特徴に合わせた下準備とは

また、防水材を撒いている途中でも、ゴミが落ちていれば取り除かなければなりません。

ローラーの毛が抜けたり、ゴミが落ちたり…ハエ、トンボ、木の葉、さらには鳩の足跡や糞など。

しゃがんで小手で塗り込んでいる際も、立って長柄のローラーでトップコートを塗っている時も、このゴミを拾うのは大変です。というのも先ほど説明したように、塗料はすぐ固まり始めます。リズムが崩れれば、それだけ美しく塗ることが難しくなるのです。

また、ゴミの取り除き方にも職人によっていろいろあり、一つも落ちていないよう心がけ作業を行う職人もいれば、「これくらいは許容範囲だろう」とゴミを巻き込んだまま仕上げる職人がいます。

 

これもある意味、職人の気遣い、さらには気質に関わってくるところなのです。

ここまで、屋上防水について、仕上げの経過をご報告致しました。

そして、ピカピカの床面を仕上げるために、職人の技術はもちろんですが、職人の気遣いや気質も関わってくるとのお話しも……。

ここからは、そんな工事に関わる職人の気質や、昨年の総括について引き続きお話ししたいと思います。

 

完璧な仕上がりに必要な職人の気質とは

 

職人の気質について、一番現れやすいところがあります。

それは道具の始末や、移動用の車内などの様子です。

道具の始末が悪かったり、移動車の車内が整頓されていない職人は、仕事にもそうした影響がでるように僕は感じています。

今回の世田谷の塗装チーム、防水チームには道具や車内が乱れているような職人はいません。

マナーもよく、美しく仕上げるための基準ラインが高い人々です。

工事だけを見れば、何の気なしに塗っているように見えますが、人が変わるだけで仕上がりは変わってきます。これが気質の差ではないかと……。

こちらの排水口もご覧下さい。実に綺麗な仕上がりです。

 

このような傾斜している床面を塗る場合、下に塗料が溜まってしまう場合がありますが、写真をみて分かるようになんのたまりもなく、綺麗な塗膜が均一に覆っています。

ガラス屋根も非常にきれいに磨き上げ、塗材が付いていた際に剥がすヘラも準備していましたが、そうした余分な塗材もついていないほど、美しく仕上がっていました。

職人の技術だけではない、そんな細かな気遣いや気質までがこの仕上がりにつながる要素だと僕は思うのです。

 

工事を仕上がりから逆算して考えることの大切さ

 

ウレタン防水の床面を仕上げるためには、足場も重要となります。

世田谷のお客様宅の工事ブログをはじめた際に、「屋上へ上るためのタラップがあるけれども、足場を組むことにしました」と書いたことを覚えていらっしゃいますでしょうか?

タラップは、屋上の真ん中に出入り口があるため、それですと防水塗装をした際に端から端へ逃げられず、塗装のつなぎ目ができてしまいます。

ですので、今回はあえてタラップは使わず、端から逃れられるように足場を組んだのです。

まさに、今回のこの防水材の仕上げ方に、この足場の話はつながります。

もしも足場がなかったら、床一面つなぎ目などの凹凸はなく仕上げることは出来なかったのでしょう。

こうした作業を逆算した足場も、職人の技術と考え、そしてチームとしての意思疎通があってこそ成り立ちます。

今回の工事は、塗装班、防水班、シール班ともに職人達がしっかりと工事をしてくれたことで、ここまで美しく仕上げることができました。これが塗装職人の工事なのです。

2023年を振り返って

 

昨年も、さまざまな工事をした1年でした。

僕は幸運にも、お客様が僕のとことん突き詰める工事のやり方を気に入って下さって、「松尾さんは現場に来てくれるの?」とご指名してくださるお客様も…

実は、僕が見積もる工事費用は、どちらかと言えば高い方だと思います。

どうしても10年先のことを考え、今打てる手を全て打とうとしますし、防水塗装ひとつとっても、できるだけ丁寧な工事をしたいと考えてしまうからです。

そのため、費用がかかってしまうことに。しかし、その費用に見合った工事を心がけています。

かかった費用分の対価をお客様は受け取るべきだと思うからです。

関連記事  防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

防水工事スタート 下地にかける何重もの予防と配慮

職人達の工事はもちろんですが、検査でも徹底的にチェックをし、不十分なところはやり直しした上でお客様に引き渡しをします。

昨年は10軒ほど雨漏り相談があり、無事雨漏りを止めました。

工事の途中で雨漏りが見つかった家もあり、雨漏り未遂の家も含めるともう少し件数は行くでしょう。

僕は、雨漏りで担当したお客様のところでは、工事後しばらくしてから訪ねるようにしています。

なぜなら、工事後の経過をしっかりと把握したいからです。

雨漏りの原因箇所は合っていたのか、対処は合っていたのかなど…そうしたことは、時間が経過し、何度か大雨を体験した後でないと本当に雨漏りが止まったのかわかりません。

それゆえに、時間をおいてから訪ねるのです。

関連動画 雨漏りの悩みから解放された3度目の屋上防水

 

昨年はGoogleの口コミも高評価をたくさん頂き、中には業種は違いますが現場というものを熟知したお客様から、良い評価を頂けたこともありました。

今年も、お客様に口コミを頂けるように頑張りながら進化もしたいと思います。

なぜなら、現場は刻一刻と環境や材料などが変わってくるからです。

この一年で防水材なども、主流が変わってきました。

前までは2液混合という防水材で、2液を混ぜることで化学反応によって内側から固まるものが主流でしたが、現在では手軽な使い心地から1液の防水材が増えてきているのです。

1液は表面から乾いていくので、僕としては少し怖い材料になるのですが、そんな時代の変化もメーカーや材料屋の担当と話すことで把握することができます。

昔からのやり方を踏襲することは大切ですが、ゲリラ豪雨や40度超えの気温など、環境は刻々と変化をしているので、現場も成長していくことが必要なのです。

2024年も、環境の変化を受け入れながら工事を進化させ、だらだらしないプロとしての仕事を致します。

もちろん僕が打ち合わせをしたお客様へは、営業として見積もりをするだけでなく、現場の管理まで含め責任をもってさせていただく所存です。

関連動画 今回の工事・ビフォアアフター

僕はいつも思っている言葉「かゆいところだけかく工事」を実現するために。

余計なことはせず、適切な材料を適切な場所へ提案できる工事を致します。

「この材料を使うという発想は御社しかなかった」「ここにこうした工事をして雨漏りを防ぐという発想は御社しかなかった」と今年もお客様に言っていただけるように、テンプレートとされる材料を提案するのではなく、その家に合った材料を提案する。

僕が職人をしていたからこそ、提案出来ることを提案致します。 

何か工事についてご相談がありましたら、ご連絡ください。

調剤薬局がお医者さんの診断でその患者に合ったお薬を処方するように、お客様の家にあった塗装材や工事方法などを提案し、実現いたします。