廊下や階段、雨に濡れるととツルッと滑ったり、皮靴やヒールのコツコツ音が響いたりしていませんか?長尺シートを貼ることによって、見た目もとても豪華になって、音も大幅に減少し、さらに雨に濡れても滑りにくくなります。
長尺シートの優れた機能
滑りにくい
表面が凸凹の防滑エンボス状になっているのと、適度な柔軟性があるのでで滑りにくいです。
歩行音が響かない
入居者の方にとって特に気になるのが歩行音。しかも就寝時のコツコツと歩く音は結構響きます。
長尺シートを敷くと、適度なクッション性があるため、この歩行音はだいぶ軽減されます。
廊下だけでなく階段にも威力を発揮します。またコンクリートだけでなく鉄階段(踏み面はコンクリート)にも施工可能です。
長持ち
屋外の紫外線や雨が当る場所にも施工できます。歩行の際に懸念のある摩耗や傷にもとても強い耐久性があり、防水性能も発揮します。
長尺シートの種類
通路用長尺シート
タキストロンという防滑性ビニル床シートを使用します。
側溝がある場合あらかじめウレタン防水をして施工をします。
特に雨風が入りやすい解放廊下などは、端末部や量水器ボックスのふた回り、エアコン室外機の排水を流すドレンレール取り付け部からの漏水で膨れてしまうなどのトラブルもまれにあります。
せっかくの耐久性と防水性を持つ長尺シートもこれでは本末転倒もう一度貼り直しになってしまいます。十分なシール端末処理をしてこそ長尺シートの価値も発揮されます。
階段用長尺シート
タキステップという遮音・防滑性階段用床材を使用しています。
階段の場合、通路より昇降の際の音が響きます。
特に室内階段の場合はマンション内に響き渡りやすいですが、ある程度のクッション性が歩行の衝撃をやわらげてくれるので、これまでの施工例の経験ではかなりの音が減少されています。
このタキステップは2通りあります。段鼻部と踏み面だけが一体したものと、それに蹴込み部分がプラスしたものがあります。
段鼻部は角部分、踏み面は足を乗せる面積が一番大きい平らな部分、蹴込みというのは垂直面になっている場所です。いずれもタキステップと段鼻部をタキボンドというカートリッジ式のウレタン樹脂系の接着剤にて接合します。
当然ながら材料自体はどの業者さんが使用しても変わりはありませんが、端末部や接合部は技術的要素が要求されます。
階段端の部分に側溝などがある場合は、あらかじめウレタン防水をしてから長尺シートの施工に入ります。
ベランダ内の長尺シート
ベランダやバルコニー内の床もウレタン防水後、長尺シートを貼ることも可能です。
長尺シート施工時のポイント
防水や塗装のように、使い方で材料の質が変わるわけではありませんが、長尺シートは職人の腕で見た目の完成度と長尺シートの持つ漏水性能の質が変わってきます。特に変わってくるのがジョイント接合部の模様の継ぎ目合わせです。
あらかじめ貼る面積とロール状になっている枚数を計算する必要があります。計算が違えば無理に違和感のある模様合わせをすることにも、材料を無駄に使ってしまうことにもつながります。
さらにジョイント部の溶着が完全でないと、そこから剥がれてきたり雨水の侵入の可能性も出てきてしまいます。長尺シートは道具の使いようと経験がものを言う作業なのです。
継ぎ目はシートとシートをコイル状になっている軟質塩化ビニル樹脂系床溶接棒というものをライスターという専用の溶接機で熱融着して接合します。
入居者への配慮
長尺シートは通路や階段なので、入居者の方の出入りに気を配った作業が必要になります。材料カットの段取りを済ませたら手際よく貼り付けをします。
長尺シートは後々剥がれるなどのトラブルは少ないですが、それでも端末部からの剥離はなくはありません。隙間なく床全面にタキボンド607という、ウレタン樹脂系1成分形耐水型の強力な接着剤をくし目ゴテなどにてたっぷり平均に塗布しますが、特に端末部は十分にボンドを行き渡らせて貼ります。
長尺シートは材料も含め決して安いものではありませんが、耐久性と美観が必ず向上します。
マンションにとっては、余分な投資となってしまうかもしれませんが、これから入居してくる方にとって豪華さを与えてくれます。
建物の資産価値維持のためにもお役に立つと思いますので、大規模修繕工事の際にご検討している方はぜひご相談頂ければと思います。