この建物の全体的な工事です。 屋上より上まで高く足場を張り上げました。こうする事で高圧洗浄の汚水や塗料が周囲に飛び散る可能性を防ぎます。 コンクリートの打ちっぱなしに多いのがこのピーコン。中のボルトが錆びて膨張し、詰めたモルタルが浮きあがってくるのです。 取れそうなものもすべて調査して、取れるものは撤去して新たにモルタルを詰めます。直せる部分は直しきってから塗装を始めます。 錆汁が垂れていた部分も補修し、塗料を塗り重ねて綺麗になりました。 打ち継ぎ目地のシーリングが取れかかっています。このまま放置しておくと雨水が浸入して雨漏りやクラック(ひび割れ)発生の原因となります。 こちらも丁寧に直していきます。カッターを使って一か所づつ切り剥がしていきます。 養生をします。塗り分ける所や塗装をしない所を前もってテープやシートで覆っておく事で塗り漏れなどの心配無く作業に励むことが出来ます。 扉や窓などはマスカーと言われるテープとビニールシートが一緒になったもので覆い隠すようにしっかりと養生し、余計な汚れを付けないようにします。 今回の塗装で施主様と一番悩んだのが塗料選びでした。コンクリート専用のフッ素系塗料にするのか、或いは通常の塗料にするのか。コンクリート専用のものは塗装の際に、塗膜が張らずにコンクリートに吸収させる塗料です。 もう一方の方は通常の塗装です。建てた時の1級建築士さんも交えてみんなで数回打ち合わせした結果、通常のシリコン塗料で落ち着きました。理由は新築当時に行った撥水塗料による塗装です。 コンクリート専用の吸収させるフッ素塗料は撥水剤のおかげで外壁に吸収させることが出来ません。工事前に行った試し塗りでも塗料が弾いてしまいました。通常の塗装でも弾く可能性から、剥離の恐れもあるため外壁をよくケレンをして下地調整しました。この研磨だけで3日程かかりました。もちろん画像にはありませんが、高圧洗浄も徹底して行っています。 2液のシーラーで下塗りをしています。接着剤の役割もあるシーラーをたっぷりと塗る事で後で塗る塗料の密着度を上げる事が出来ます。 ローラーで塗り進めていきます。ローラーにも色々な種類があり、幅が狭くて小さいものから幅が広くて大きいものまで。箇所によって使い分ける事でムラの無い仕上がりになるのです。 真上を向いて、手を伸ばしての塗装です。こういう体勢で塗っていると顔に細かな塗料が降ってくるので、目に入らないよう気を付けながら作業をします。 アスファルトシングルという屋根材が一部に使われていたので専用塗料での塗装です。 同じく屋根を塗っている職人の様子です。塗料缶片手に身を乗り出す体勢の為、大変不安定な状況の中での作業。慎重に作業を進めます。 屋根の塗装が完了しました。3回塗り重ねられて、厚くなった塗膜が見て分かります。 打ちっ放しの外壁の為、表面がツルツルしています。中塗り前に階プレートは塗らないものなので養生でしっかりと覆ってしまいます。 下に養生布を敷きつめての作業です。刷毛を使って細かな所まで気を配りながら塗っていきます。 ローラーで転がす時も塗膜が均一になるように塗ります。下の方の塗装は階段に腰掛けて目線を合わせながら行いました。 ローラーで転がす時も塗膜が均一になるように塗ります。下の方の塗装は階段に腰掛けて目線を合わせながら行いました。 一級塗装職人でもあり、塗装指導員の職人・川口。どんな場所にも塗りムラが出ないようにローラーを転がします。 塗料缶片手に天井部の塗装。降ってくる塗料が目に入らないように注意しながら上を向いての作業です。 昼食休憩。今日は持参したお弁当を車内で。コンビニやスーパーに買いに行ったり、その日で様々ですが どのような時もしっかり食べます。お腹が減っては良い作業は出来ません。 鉄部の塗装です。手すりやPS扉などには錆止めを塗った後、その上からシリコン塗料で塗り重ねました。 配管裏も細かな刷毛を使って、塗り忘れの無いように彩色していきます。配管に養生はしていないので、塗料を付けないよう細心の注意を払いながらの作業になりました。 足場がある為 身動きが取りづらいですが、窓周りを細い刷毛を使って僅かな塗り残しやはみ出しも無いように微修正していきます。 鉄部は先にケレンをして塗料の密着度を高めておきます。その際に細かくなった鉄粉が舞うのでマスクは必須です。 養生を外した後なので塗料を垂らさないように気を付けながら、手すりに刷毛を置いて細かな所を仕上げていきます。 少しデザインに凝っている建物なので、このように部分的には赤い配色になっています。 工事前の外観です。雨もあったため、防水や外壁補修など、すべての作業日数で1ヶ月程かかってしまいました。 こちらが工事後の外観。工事前とは見違えるほどのきれいな仕上がりになりました。部分的な赤いカラーが印象的です。