多くのマンションでは部分的にしろ、全面的にしろタイル張り仕上げを採用しているマンションが少なくありません。これまでの修繕工事においては、まずだいたい浮きが確認できます。浮き補修、張り替えともに、最適な方法をご提案かつご相談させて頂きます。
鉄骨のALC建物のタイルの貼り替えの様子です。
建物の挙動による浮きやクラックを避けるため、元々新築時にはなかった誘発目地を作ったりしています。
鉄筋コンクリートの建物の貼り替えの様子です。
ひび割れたタイルを目地に沿ってダイヤモンドカッターのグラインダーにて切れ込みを入れ、ハツリ機で撤去している動画です。
先端にタガネになっているハツリ機を使い撤去します。
微妙に上下に振動してタイルを撤去していきます。
タイルは1枚1枚モルタル等によって貼りつけられています。
タイルのクラックや欠損があれば張り替えます。
在庫の確保がある場合は問題ないですが、廃盤で材料屋にもない場合は近似色か焼き発注をします。
タイル・エポキシ樹脂接着剤注入
タイルの浮き補修
テストハンマーにて打検をして浮き部を調査します。
見逃さないようにくまなく全面を調査する必要があります。
浮き部を発見したらチョークやマスキングテープ等で印(マーキング)をつけていきます。
必要以上の穴の口径とならないようにアンカーピンよりわずかに径の大きい穴(穿孔)を空けていきます。
ドリルの振動で浮きのない健全なタイルに悪影響を与えて剥離させないように、タイル専用のコンクリートドリル等を使用します。
タイルの目地に沿ってエポキシ樹脂を注入するためにあけた穴です。
穴はおおよそですが下地のコンクリート30ミリ程度の深さに達するまで空け、突きあたりまでピンを挿入することで、より強固な補修となります。
2液混合タイプのエポキシ樹脂は、よく混合されて強力な接着力を発揮します。硬化不良で接着不足を起こさないように良く練ることも重要です。
そしてグリスガンという道具に、長期間剥離の危険性が少ない、JIS規格6024建築補修用注入エポキシ樹脂適合品の、高粘度アンカーピン固定用エポキシ樹脂を詰めます。
この際空気を抜くようにエポキシ樹脂を詰めます。
壁面に注入した時に、一緒に空気を入れて空洞を作ると十分な固定接着とならないからです。
圧縮空気で穴の中の粉じんなどを飛ばしてきれいにし、エポキシ樹脂を25ccを基準にして注入します。
注入後は径4mmのSUS304全ねじステンレスピンに空気の巻き込みに注意しながらエポキシ樹脂を塗布し、ピンを回しながら挿入すると、ステンレスピンが杭の土台となって、エポキシ樹脂と絡み、乾燥して強固に固定されます。
外観的に穴の表面処理をしてタイルの浮きの補修が完了です。
その他のタイル張り仕上げのエポキシ樹脂注入工法
アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法には、さまざまな施工方法があります。塗装職人・防水工事部では、タイルの浮きに最適な「手動式アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法」を採用しています。
- アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
- 注入口付きアンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
- 自動式アンカーピンニングエポキシ樹脂注入工法
タイルの張り替え
張り替え用のタイル
余分なタイルを在庫保存している場合は、色やデザインが同じで一番良いのですが、新築から十数年経過しているマンションなどの場合で保存がない場合は、材料屋に同じタイルを手配してもすでに廃番となっていることも少なくありません。
張り替え前に準備したタイル
その場合は、近い色のものを探す、もしくは新たな窯焼きタイルを発注しますが、数千枚単位での発注になります。
タイル補修等の費用
タイル補修の場合、見積もりの段階では正確な価格の算出がとても困難です。
ですので、どの業者さんも同じだと思いますが、全面タイル平米数の何割かを補修という見込みの数字を決めてから、実際に足場を組んで打音検査をした後、見積もり価格の数字からプラスマイナスをするなどした「実測清算」となることが多くなります。
タイル打診検査
タイルの浮きやその下地のコンクリートのクラックなどは目視では見分けがつかないため、心配になることはありませんか?
打診棒などを使いタイル表面を転がして音で浮きなどを調べる検査です。
見た目では判断しにくいタイルの浮き。
硬く重さもあるタイル剥落の危険性に不安になるオーナー様もいるのではないでしょうか。
タイルは打診棒などにより全面を打音検査をします。
タイル自身や目地のクラック、もちろん浮きによる剥落の不安をなくすため丹念に調査します。
タイル目地にはモルタルのほか、シールによる目地もあるので劣化状況も診断します。
タイルの透明塗膜防水仕上げ
ひび割れ・目地部のエフロレッセンス・滑落防止にも有効な透明塗膜防水材を塗布して外壁タイルの耐久性を伸ばします。意匠性も高く新築のような風合いを醸し出します。写真はそれぞれセブンSSのつや調整した見本です。
ツヤなし
半ツヤ
ツヤあり
3種比較
外壁タイルの透明塗膜防水材塗布の施工のようす。
タイルの塗装
タイルのクリヤー塗装
外装タイルはつやを施すことでもきれいになります。
通常の美観的要素の蘇生は超低汚染形陶磁器タイル用塗装工法の日本ペイントファイングラシィを使用。
さらに防水性能を追求する場合は、最新のアクリルシリコン樹脂で耐久性、防水性、施工作業性、意匠性など、タイルの改修工事にとても優れたセブンケミカルの「セブンSS」がお勧めです。
いずれもタイルやタイル目地を酸性雨などから守り、つやを回復させることもできます。
洗浄
タイルの洗浄
高圧洗浄はもちろん、酸などの薬品を使いこびりついたタイルの汚れを落とすことも可能です。薬品を染み込ませたローラーでタイルを塗布し、洗浄します。
ただし、洗浄だけで必ずしもイメージ通りきれいに復元できないこともあります。
事前にご相談頂ください。
タイル汚れの洗浄
経年劣化したアンテナ取り付け金具のサビが、雨だれなどで、外壁タイルに筋となってこびりついてしまってます。
サビ汚れ以外にもだいぶ経年による汚れが目立ちます。こういった汚れも、放置しておくと内部劣化の原因に繋がりかねません。
このようなタイル汚れには、酸を使った洗浄が効果的です。まずは、タイルに刷毛で薬品を塗布していきます。
ナイロンたわしで汚れを擦り、汚れをさらに落としていきます。そして、ウエスで拭いとった後、中和剤を塗布。
すると、タイル本来の色が顔を出しました。左右のタイルと比較すると雲泥の差です。
サビ汚れ以外の箇所にも塗布して、汚れを落としていきます。
そして、最後にタイル全体を高圧洗浄して完了です。
タイルに光沢が戻り、非常にキレイな状態に戻りました。
美観を保ち、劣化を予防し、プラスのサイクルを生み出していきましょう!
ベランダや共用部分などの高圧洗浄
こちらは、コンクリ床面の高圧洗浄です。すでに汚れの落ち具合がはっきり見てとれますが、さらにわかりやすく高圧洗浄で汚れが落ちていく様子です。洗浄というよりは、高圧の水流で削り落としていくというような感覚です。
こういった工事のタイミングでもないと、なかなか水洗いなどができないベランダも、高圧洗浄をしていきます。
室外機まわりの細かい隙間もしっかりと洗浄、網戸や窓なども一緒に洗っていきます。
階段や廊下など、共用部分の美観を保つことは、住人の方はもちろん、入居を考えている方への好印象にも繋がります。